薄毛に悩む方のなかには、毛髪再生医療が実用化しているかどうか知りたいという方も、多いと思います。結論としては、国内ですでに「S-DSC毛髪再生医療」をはじめとする毛髪再生医療が、実用化されています。一方で、報道で話題になりやすいiPS細胞などを用いた毛髪再生医療の技術は、まだ研究段階です。
ここでは、毛髪再生医療のどの技術が、実用化されているのか、研究段階なのかを整理します。さらに、実用化済みの「S-DSC毛髪再生医療」の仕組みや臨床研究データ、費用の目安について解説します。
全体の要点
- 毛髪再生医療はすでに自由診療として実用化
- iPS細胞などを用いた毛髪再生医療の技術のいくつかは研究段階
- S-DSC毛髪再生医療は、自分自身の細胞を用いる治療で特に女性型脱毛症の新たな治療選択肢として一部の医療機関で提供開始済み
- S-DSC毛髪再生医療の効果や副作用、治療を受けられる医療機関や治療の流れ
S-DSC毛髪再生医療は2024年7月に実用化されている
毛髪再生医療は、”研究段階”、” 将来実現する技術”というイメージがあるかもしれませんが、実は、毛髪再生医療は、既に実用化しています。
自分自身の細胞を用いる技術である「S-DSC毛髪再生医療」は2024年7月から国内で治療を受けられるようになっています。再生医療等安全性確保法に基づく手続きを経たうえで、自由診療として提供されています。
注意すべきは、“毛髪再生医療”という言葉が、一つの技術を指すわけではないという点で“毛髪再生医療”と呼ばれる技術には、すでに実用化されている技術と研究段階の技術が混在しています。
なお本記事でいう「実用化」とは、保険診療として標準治療化されたという意味ではなく、再生医療等安全性確保法に基づく手続きを経て、自由診療として医療機関で提供されている状態を指します。
毛髪再生医療の「実用化はいつ?」という疑問が生まれる理由
「毛髪再生医療が、実用化していない」と感じる理由のひとつに、マスメディアの報道があります。メディアでは、臨床試験前または基礎研究の段階の「iPS細胞や幹細胞を用いた毛髪再生」の技術が、将来性のある技術として報道され注目を集めています。これらの報道の影響で、毛髪再生医療が”将来の技術”だというイメージが広がっている可能性があります。
2026年時点の毛髪再生医療の実用化マップ(実用化済・研究段階)
毛髪再生医療のなかで実用化された技術と研究段階の技術を一覧にまとめました。「自分自身の細胞を培養する技術」、「幹細胞培養上清液を用いる技術」、「iPS細胞を用いる技術」の3つの技術に分類して治療の方法や実用化の状況などについて整理したのが次の表です。
技術 | 治療の内容 | 状況 | 補足 |
|---|---|---|---|
自分自身の細胞を培養する技術 | 頭皮から採取した細胞を培養し、薄毛部位に注入する | 実用化済 (自由診療) | 「S-DSC毛髪再生医療」が、再生医療等安全性確保法に基づく手続きを経て、2024年7月に実用化済み |
幹細胞培養上清液を用いる技術 | 培養した幹細胞の上澄み液に含まれる成分を用いる | 実用化済 (自由診療) | ・薬事承認を得た医薬品ではない ・再生医療等安全性確保法で定義された再生医療にも該当しない ・安全性・有効性の検証状況は製剤や医療機関により異なる |
iPS細胞を用いる技術 | 多能性幹細胞から組織を作り出すことを目指す | 研究段階 | ・技術により研究の段階は様々 |
まとめると
・「自分自身の細胞を培養する技術」では、S-DSC毛髪再生医療が2024年7月に実用化されており、いくつかの医療機関で治療を受けることができます。
・「幹細胞培養上清液を用いる技術」も医療機関で提供されていますが、再生医療等安全性確保法で定義された再生医療には該当しないものです。
・「iPS細胞を用いる技術」は、現時点では研究段階にあります。
研究段階の毛髪再生医療は、実用化の見込みはいつか?
現在、研究段階にある毛髪再生医療の技術についても整理します。
2024年10月1日時点の日本経済新聞の報道*1によれば、第2世代として位置づけられる「iPS細胞などで髪の種になる細胞を移植する技術」は臨床研究を目指す段階です。
第3世代の技術は、「髪を体外で育ててから移植する技術」ですが、動物レベルでの成功にとどまり、基礎研究段階です。
第2世代も、第3世代も、実用化の時期は明らかになっていません。
世代 | 技術の概要 | 実用化の状況 |
|---|---|---|
第1世代 | 髪を育てる細胞を培養して補い、発育を促す | S-DSC毛髪再生医療は実用化済 その他は研究段階 |
第2世代 | iPS細胞などで髪の種となる細胞を移植する | 2026年にも臨床試験開始を目指す段階 |
第3世代 | 髪を体外で育ててから移植する | 基礎研究の段階 |
S-DSC毛髪再生医療とは? ― 大学病院と資生堂の研究チームが開発
次に、S-DSC毛髪再生医療がどのような技術なのかを詳しく見ていきます。
S-DSC毛髪再生医療は、自分自身のDSC細胞を採取して培養し、薄毛部位に補うことで毛髪の成長を促す毛髪再生医療です。DSC細胞は毛球部毛根鞘細胞と呼ばれ、毛を太く成長させる起点となる細胞と位置づけられています。
S-DSC毛髪再生医療の研究の歩み
S-DSC毛髪再生医療は、最先端の毛髪科学研究を行う大学病院と資生堂が、10年以上の年月をかけて開発した治療です。2013年から細胞培養法の開発や安全性試験などの基礎研究、2016年から探索的臨床研究、2020年から検証的臨床研究と段階を踏み、2024年に自由診療として実用化に至っています。
時期 |
段階 |
|---|---|
2013年〜 |
基礎研究(=非臨床試験) |
2016年〜 |
探索的臨床研究(第Ⅱ相試験に相当) |
2020年〜 |
検証的臨床研究(第Ⅲ相試験に相当) |
2024年〜 |
実用化(自由診療) |
毛髪再生で注目されるDSC細胞(毛球部毛根鞘細胞)のはたらき
DSC細胞のはたらきを理解するには、まず髪が生える仕組みを理解する必要があります。毛髪の成長の起点は皮膚の下に隠れた「毛包」であり、その根元部分は「毛球部」と呼ばれます。毛球部の中で「毛乳頭細胞」が「毛母細胞」を活性化すると、髪の成長が促されます。
研究では、この毛乳頭細胞の前駆細胞にあたる「毛球部毛根鞘細胞」、すなわち「DSC細胞」に着目しました。
マウスを用いた研究では、DSC細胞を培養して移植したところ顕著な発毛が認められたとする報告があり、培養した毛乳頭細胞よりも多くの毛包が誘導されたとされています。*2注入されたDSC細胞が毛包組織に取り込まれることも、研究で確認されています。*3
S-DSC毛髪再生医療では、薬で外側から働きかけるのではなく、髪を育てる起点となる自分の細胞を薄毛部位に補うという考え方が基本になっています。
S-DSC毛髪再生医療の治療 ― DSC細胞採取から注入までの流れ
S-DSC毛髪再生医療の治療は、細胞の採取、培養、注入という流れで進みます。
まず、局所麻酔を行ったうえで、脱毛していない後頭部などから直径5mm程度の頭皮組織を採取、その後、採取した組織は細胞培養加工施設に運ばれ、顕微鏡下でDSC細胞を取り出して培養します。6週間の培養・品質試験を経て、細胞加工製剤として頭皮への注入が可能となります。
治療時には、細い注射針を用いて、培養したDSC細胞を通院(入院不要)で頭皮に注入します。
治療のステップ |
内容 |
|---|---|
採取 |
局所麻酔のうえ、脱毛していない部位から直径5mm程度の頭皮組織を採取する |
培養 |
細胞培養加工施設でDSC細胞を取り出し、培養する |
注入 |
培養したDSC細胞を通院(入院不要)で頭皮に注入する |
S-DSC毛髪再生医療の効果や変化が現れる時期 ― 臨床研究データから読み解く
S-DSC毛髪再生医療の効果は臨床研究のデータとして公開されています。
検証的臨床研究では、投与は2回実施され、1回目の投与から約3か月後に2回目が行われました。
S-DSC毛髪再生医療で、何が改善し、どの時期に変化が現れ、どのような方が対象になるか見ていきます。
「発毛状態の改善または維持」と評価された割合
S-DSC毛髪再生医療は髪を太くするはたらきが期待される治療です。臨床研究では、見た目の印象に関わる毛の太さに着目した評価が行われています。
臨床研究の論文では、進行性の疾患であることを踏まえ、「発毛状態が改善した」と「変化なし」を合わせた割合も評価されています。この割合が女性で75.0%、男性で41.2%と示されました。年齢別では、42.5歳未満で53.0%、42.5歳以上で63.9%という結果が報告されています*4。
「変化が現れる時期」についての評価
臨床研究では治療から18か月後に、効果を実感したと答えた割合は「女性で83%」「男性で41%」でした。効果の現れ方には個人差がありますが、効果実感は比較的長期間維持されました*4。
臨床研究の結果から、「男性よりも女性」、また「42.5歳未満よりも42.5歳以上」で、より高い発毛効果が得られる可能性が報告されています。
S-DSC毛髪再生医療が適応となる方
・男性型または女性型脱毛症と診断された成年者
・他の治療では効果が不十分と考えられた、あるいは副作用等により他の治療が継続できず、本治療で効果が期待できる方
・本治療の提供に関して、自身の意思に基づき、文書にて同意いただけた方
上記を満たしている場合でも、次に該当する方は治療を受けることができません。
・本治療の開始前に実施するウイルス学的検査(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、成人T細胞白血病ウイルス)で感染が確認された方
・局所麻酔で過敏症の既往歴がある方
・妊娠中、または授乳中の女性
・本治療を行う医師が、対象として不適当と判断した方
*治療が受けられるかどうかの判断は、医師による診察と診断の結果に委ねられます。治療を希望する方は医療機関にご相談ください。
24か月間の観察期間で重篤な副作用の報告なし
【S-DSC毛髪再生医療の副作用報告について】
・臨床研究では、18か月間の観察期間中に重篤な副作用は報告されませんでした。
・その後の半年間のフォローアップを含めた合計24か月間においても、「注入との関連性が否定できない副作用は認められなかった」と報告されています。
・報告された副作用は、「注入部に軽度の注入時の痛み(疼痛)」と「軽度の毛嚢炎」がそれぞれ1件確認された程度で、注入部位以外の副作用は認められませんでした。
・注入時の痛みは個人差がありますが、冷却することや、痛み止めクリームを使用することで対処できます。
副作用の現れ方には個人差があり、治療を受ける際には医師から十分な説明を受けるようにしてください。
S-DSC毛髪再生医療の治療を受けられる医療機関
S-DSC毛髪再生医療は、複数の大学病院やクリニックで提供されています。
【S-DSC毛髪再生医療の治療が受けられる医療機関は以下のリンクをご覧ください】
https://www.s-dsc.com/facilities/
受診を希望する場合の流れは施設によって異なり、大学病院では近隣の医療機関からの紹介状が必要になる場合があります。各医療機関の公式ホームページにて、最新情報を確認してください。また、治療が受けられるかどうかの判断は、医師による診察と診断の結果に委ねられます。治療を希望する方は医療機関にご相談ください。
その他の毛髪再生医療とは
毛髪再生医療には、S-DSC毛髪再生医療以外にもいくつかの選択肢があります。ここでは、幹細胞培養上清液を用いる治療について説明します。
幹細胞培養上清液による治療とは
幹細胞培養上清液による治療は、幹細胞を培養した際に得られる上澄み液を用いる治療で、上清液には細胞が分泌したさまざまな成分が含まれているとされています。用いられる幹細胞には脂肪由来や臍帯由来など複数の種類があります。
上清液には発毛に関わるとされる成長因子が含まれており、KGF、VEGF、HGFなどが知られています。また、細胞が分泌する小胞であるエクソソームに着目した治療も登場しています。これらの成分や治療の位置づけ、提供状況は治療法によって異なります。幹細胞培養上清液による治療は、医療機関が毛髪再生医療として提供している場合がありますが、再生医療等安全性確保法で定義された再生医療には該当していません。
*医療機関の受診および治療内容の選択にあたっては、各医療機関に十分ご相談のうえ、ご自身の判断と責任において選択してください
毛髪再生医療にはどれくらいの費用がかかるのか?
S-DSC毛髪再生医療は保険適用外の自由診療であり、費用は施設や治療部位の大きさ、治療回数によって異なります。ここでは、費用の目安を整理します。
毛髪再生医療(S-DSC毛髪再生医療)にかかる治療費の目安
S-DSC毛髪再生医療の治療費は、提供している各医療機関がそれぞれ公開しています。いずれの施設も保険適用外であり、自由診療であるため費用の全額が自己負担となります。
治療を希望する部位の大きさや治療回数に応じて費用が異なります。最新情報については各医療機関のホームページで確認するか、または直接お問い合わせください。
<採用施設のページへ:https://www.s-dsc.com/facilities/>
S-DSC毛髪再生医療とその他の毛髪再生医療、従来の治療、植毛などの費用を比較
毛髪に関する治療は、費用の発生の仕方が治療によって異なります。
たとえば内服薬による治療は、月額の目安が数千円程度とされることが多い一方で、効果を維持するために継続的な服用が前提となります。短期で見れば一度にかかる費用は抑えられますが、5年や10年といった長期で見ると累積の費用は積み上がっていきます。
費用の発生の仕方の違い等を整理すると、次のようになります。
治療法 |
費用の発生の仕方 |
通院頻度 |
適応・注意点 |
|---|---|---|---|
フィナステリド |
月単位で継続的に費用が発生する (月額約3,000〜10,000円) |
月1回程度 |
男性型脱毛症(AGA/MPHL)に用いられる内服薬。 |
デュタステリド |
月単位で継続的に費用が発生する (月額約5,000〜10,000円) |
月1回程度 |
男性型脱毛症(AGA/MPHL)に用いられる内服薬。 |
ミノキシジル |
月単位で継続的に費用が発生する (月額約5,000〜10,000円) |
月1回程度 |
男性型脱毛症(AGA/MPHL)等に用いられる内服薬 |
ミノキシジル |
月単位で継続的に費用が発生する (月額約5,000〜10,000円) |
月1回〜数か月に1回 |
男性型脱毛症(AGA/MPHL)・女性型脱毛症(FAGA/FPHL)に用いられる外用薬 |
LED |
機器購入時または通院単位で費用が発生する |
自宅使用または定期通院 |
男性型脱毛症(AGA/MPHL)・女性型脱毛症(FAGA/FPHL)に用いられる光治療 |
幹細胞培養 |
通院単位で継続的に費用が発生する (1回約5万〜30万円) |
月1回〜数か月に1回 |
用いられる幹細胞には複数の種類があり、 |
S-DSC |
治療時にまとまった費用が発生する (約130万〜360万円) |
数か月に1回程度 |
男性型脱毛症(AGA/MPHL)・女性型脱毛症(FAGA/FPHL)と診断された成年者が対象。適応は医師が判断 |
自毛植毛 |
施術時にまとまった費用が発生する (約50万〜300万円) |
手術1回 |
女性型では推奨度C1。 |
※費用はすべて自由診療(保険適用外)です。記載の金額は目安であり、治療部位・回数・施設によって異なります。最新情報は各医療機関にご確認ください。
S-DSC毛髪再生医療と従来の薄毛治療の違い
S-DSC毛髪再生医療の特徴を理解するために、従来の薄毛治療との違いや、女性の薄毛治療の選択肢が限られてきたなかで登場したS-DSC毛髪再生医療の意義について診療ガイドラインの内容を踏まえながら整理します。
なぜ女性の薄毛治療の選択肢は少なかったのか
女性の薄毛治療の選択肢が限られてきた背景には、女性型脱毛症そのものの特性が関係しています。男性型と女性型では発症のメカニズムが異なります。女性型脱毛症の詳細なメカニズムは十分に解明されておらず、治療選択肢が限られる状況が長く続きました。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」に基づき、女性の薄毛治療の状況を整理すると、次のようになります。
| 治療法 | 男性型脱毛症 (AGA/MPHL) |
女性型脱毛症(FPHL) |
|---|---|---|
| フィナステリド (内服) |
A:行うよう強く勧める | D:行うべきではない |
| デュタステリド (内服) |
D:行うべきではない | |
| ミノキシジル (外用) |
A:行うよう強く勧める | |
| ミノキシジル (内服) |
D:行うべきではない | D:行うべきではない |
| アデノシン (外用) |
B:行うよう勧める | C1:行ってもよい |
| LED (低出力レーザー) |
B:行うよう勧める | |
| 植毛術 (自毛植毛) |
C1:行ってもよい | |
| 成長因子導入/ 細胞移植療法 |
C2:行わないほうがよい | C2:行わないほうがよい |
| その他医薬品/ 医薬部外品 |
C1:行ってもよい〜 C2:行わないほうがよい |
C1:行ってもよい〜 C2:行わないほうがよい |
内服薬として推奨度Aとされるフィナステリドとデュタステリドは、男性型脱毛症に用いられる薬です。これらは女性に対する適応がなく、特に妊娠している、または妊娠している可能性のある女性には用いることができないとされています。
女性の薄毛治療では内服薬の選択肢が限られており、女性型脱毛症で推奨度Aとされているのは“外用薬のミノキシジル”のみです。
また、自毛植毛術は女性型では推奨度C1とされています。女性型脱毛症は広範囲に毛が薄くなる傾向があり、植毛に必要となる毛の量が多いため、施術のハードルが高いという事情もあります。
なお、2017年版ガイドラインの「成長因子導入および細胞移植療法」は、当時得られていたエビデンスに基づく評価です。S-DSC毛髪再生医療は、その後に検証的臨床研究を経て2024年に提供開始された治療であるため、同ガイドラインには個別の治療として記載されていません。
S-DSC毛髪再生医療が女性の薄毛治療の新たな選択肢である理由
こうした背景から、S-DSC毛髪再生医療は女性の薄毛治療の新たな選択肢としても注目されています。臨床研究のデータでも、女性が男性よりも良好な反応傾向が報告されています。
S-DSC毛髪再生医療は、培養した自分自身の細胞を薄毛部位に補う治療のため、内服薬のように継続的な服用を前提としません。また、自分自身の細胞のため拒絶反応を起こしにくいという点も注目されている理由の一つです。
従来の治療とS-DSC毛髪再生医療の違い
従来の薬物療法 |
S-DSC毛髪再生医療 |
|
|---|---|---|
女性の薄毛治療 |
推奨度Aは外用薬のミノキシジルのみ |
・臨床研究のデータでも、女性が男性よりも良好な反応傾向 ・女性の薄毛治療の新たな選択肢としても注目されている |
治療法 |
薬剤 |
自分自身のDSC細胞 |
継続的な治療について |
効果維持のため継続的な治療(毎日の服用/外用など)が前提となることが多い |
・毎日の服薬・外用を前提としない ・追加治療や経過観察の要否は医師が状態に応じて判断する |
*医療機関の受診および治療内容の選択にあたっては、各医療機関に十分ご相談のうえ、ご自身の判断と責任において選択してください
よくある質問(FAQ)
Q. 男性用である5%のミノキシジルを女性が使うとどうなる?
A. 日本国内の女性用市販薬では1%製剤が用いられています。男性用5%製剤を女性が自己判断で使用すると、顔・腕・背中などの多毛症やかぶれや炎症などの頭皮トラブルなどの副作用リスクが高まる可能性があります。
Q. ミノキシジル以外にも女性の薄毛治療の選択肢はありますか?
A. ミノキシジル以外にも、医師の判断で補助的な内服薬や外用薬が検討されることがあります。また、鉄欠乏や栄養不足がある場合には、栄養補充や生活習慣の見直しが必要になることもあります。長期服薬に不安がある方には、自家細胞を用いたS-DSC毛髪再生医療も選択肢のひとつです。
Q. 女性にとって大きなリスクとなるミノキシジルの副作用は?
A. 外用では頭皮のかゆみ・かぶれ、内服では多毛症、動悸、むくみ、血圧低下、肝機能への影響などが報告されています。特に妊娠中・授乳中・妊活中、循環器疾患のある方は使用を控えることや医師に相談する必要があります。
Q. ミノキシジルをやめるとどうなる?
A. 使用を中止すると、数か月かけて使用前の状態に近づいていくと説明されています。ミノキシジルは「使用期間中に効果を発揮する薬」であり、中止後には効果は持続しません。
Q. 市販薬とクリニック処方薬の違いは?
A. 市販薬は女性用1%外用が中心で、ドラッグストアや通販で購入できます。クリニックでは医師の診断のもと、外用薬の種類や濃度、補助的な治療、再生医療などを含めて、原因や状態に応じた治療方針を相談できます。なお、ミノキシジル内服薬は国内未承認であり、自己判断での使用は避ける必要があります。
Q. ミノキシジルを処方してもらうにはどこに行けばいいですか?
A. 皮膚科、AGA・FPHL(女性型脱毛症)専門クリニック、女性の薄毛治療を扱う美容クリニックなどで処方を受けられます。疾患がある可能性も含めて診察を受けたい場合には、まず皮膚科の受診が安心です。
まとめ
毛髪再生医療は、すべてが将来の技術というわけではなく、自分自身の細胞を用いるS-DSC毛髪再生医療は既に自由診療として治療が実用化されています。一方で、iPS細胞などを用いる技術などは研究段階にあります。
S-DSC毛髪再生医療は、長期間にわたる研究の積み重ねを経て実用化された治療で、女性の薄毛治療における新たな選択肢の一つとして期待されています。治療にあたっては、効果や費用と自身の症状などを踏まえ、医療機関への相談を通じてご自身に適応するかどうかを確認したうえで検討することをおすすめします。
- S-DSC毛髪再生医療は2024年7月に実用化した、自分自身の細胞を用いる毛髪再生医療である
- iPS細胞などの技術は研究段階で、実用化の状況は技術ごとに異なる
- 効果や副作用、費用のデータを確認し、自分の状況に当てはめて検討する
- 受診を希望する場合は医療機関に相談し、受診方法や適応を確認する






